Non-Profit Organization ODOROKI NETWORK おどろ木 ネットワーク NPO法人おどろ木ネットワークは、森と木の文化見直し、ものづくりや手仕事の知恵と創造力をもって、 |
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木と森林情報 ■世界の森林
日本では縄文時代のころ約1万年前、世界の森林面積は62億ヘクタールあったそうです。今は、約40億ヘクタールで、全陸地面積の約30%です。しかし、世界の森林は減少を続けており、毎年520万ヘクタールが減少し続けています。特に、南アメリカ、アフリカなどの熱帯の森林を中心に、減少面積が大きくなっています。 詳しく知りたい人は「森林・林業学習館」へ!! その原因の一つが「違法伐採」です。違法伐採は森林の減少はもとより、森林生態系や森林の持続的利用に大きな影響を与えます。このようなことから、「合法木材照明制度」や「」森林認証制度が生まれました。青森県では青森県木材協同組合が詳しく教えてくれます。 ■日本の森林 日本の森林面積2512ヘクタールで、国土の7割が森林です。森林は天然林(自然林)と人工林からなり、スギ、ヒノキ、カラマツ等の人工林が4割を占めています。 これらの人工林は、昭和25年から昭和45年にかけて「拡大造林」という方針で植林されたもので、40年〜60年を経た今ちょうど使い頃の収穫期を迎えています。ところが今は、安価で大径木が多い輸入材に押されて国産材の需要は大きく減少しております。このような理由から、日本の森林資源はどんどん増えている状況なのです。 ■青森県の森林 県土面積の66%が森林(64万ヘクタール)で、その62%が国有林、38が民有林公有林が占めています(平成24年度版青森県の森林・林業)。国有林にはスギやヒバと広葉樹、民有林にはスギが主体となっています。青森県の木と尋ねられれば青森県民は誰しもがヒバと答えます。世界遺産の白神山地はブナ原生林、青森県が力を入れるのがスギ、南部地方ではアカマツも県産材に含まれるようです。いずれの木材も深刻な課題を抱えております。 ●ブナ 青森県のブナの蓄積量も日本一です。ブナは「木」へんに「無」と書き、木の劣等生として扱われてきたようです。近年、白神山地の世界遺産で注目され、気がついてみたら、簡単に伐採できなくなっており、今では貴重な木材となってしまいました。 青森県のブナの蓄積量も日本一です。ブナは「木」へんに「無」と書き、木の劣等生として扱われてきたようです。近年、白神山地の世界遺産で注目され、気がついてみたら、簡単に伐採できなくなっており、今では貴重な木材となってしまいました。 ブナフェスティバルを知ってますか。弘前大学の故澤田信一教授の、ブナへの強い思いから生まれたイベントでした。澤田先生が亡くなったということもあって2001年を最後に途絶えています。 ●ヒバ 青森県のヒバの蓄積量日本一です。そのほとんどが国有林にあるので国の林野庁で管理されています。歴史的にもヒバは、津軽藩や南部藩の重要な物産でした。また、戦前戦後の苦しい時代に青森県の暮らしや産業を支えてきたのです。ヒバの現状を見てみると、秋田スギや木曽ヒノキ等と同様に蓄積量が減少し続けており、その伐採量はつい40年前の5%となってしまいました。
(1)ヒバ家具の研究 今から40年前青森県は、ヒバ家具の研究に力を注いだ経緯があります(青森ヒバ材利用の研究資料集成)。世は、いざなぎ景気に陰りが見え始めたころに全国的に針葉樹家具の研究が始まりました。 「ヒバは人一倍、手間と気を使うよ」と言いながら、仕上げ鉋をヒバの框の上に置き一気に引いた。シュルシュルと、透き通るような鉋くずと共に、ヒバの芳香が工場に広がった。「肌がいいね」。そこには底光りするような絹糸光沢を放つ「ヒバの木肌」があった。私がヒバに出会ったのは、こんな職人達が一生懸命ヒバ家具の開発に取り組んでいた時代(1973年)であった。学生気分がぬけないまま、県の試験研究機関の青森県木工指導所に配属された私がヒバに出会ったのは、こんな職人達が一生懸命ヒバ家具の開発に取り組んでいた時代(1973年)であった。その後35年間ずっと、木材や家具等の加工技術の研究と指導を通して県内関係業界と関わっている。 当時、「ヒバは”あて”が強く暴れやすい。家具には向かない。」といった意見も多かった。その後の研究によって、暴れの原因は「成長応力」や「乾燥応力」によるものであり、乾燥技術や集成技術や積層技術によって解決されることが分かり、ヒバ家具開発は前進した。今でもヒバの”あて”について聞かれるが、その時私は「”あて”というのは、厳しい環境の中で、倒れまいと何百年もの間踏ん張ってきた木の筋肉だよ」と言うことにしている。 ヒバは油(抽出成分)が多い木材である。材表面からにじみ出したり、金具にこびりついたり、また、鉄分と結びついて材表面を赤く変色させたりして作り手を悩ませた。その一方で、抗菌性、耐蟻性、耐水性、耐久性等のヒバの特性に大きく関与しているものでもあった。その後、蒸気乾燥による脱脂技術によってヒバの油の問題は解決されるようになり、文化会館のヒバの所作台が完成したことを覚えている。 もう一つは「ヒバは色ヤケし易い」という問題であった。特に紫外線による急激な変色は、商品価値の低下やクレームの原因となっていたことから、その原因の究明や防止技術について研究された。その結果、材中の成分が紫外線によって酸化する過程において、材色が赤みと鮮やかさを増していくというヒバの光学的な特性であり、ヒバ家具が年月を経るほどに深みを増し(色の深色化という)アメ色から深い金色に変わってゆくのもこのためであることが分かった。我が家には、十数年前に購入した春藤のヒバ家具があるが、その存在は、近年流行の木目調樹脂板の家具をはるかに圧倒するものである。 じっくりと向かい手を加えてやることで、それに答えてくれる素材がヒバである。知れば知るほど、その魅力に取り憑かれてしまう人達は多い。森や立ち木としての美しさもさることながら、北国の厳しさの中で生きる姿が、青森県人の生き方や思いと重なるからであろう。 青森には、先人を超えるほどの高い技術と高い品質のヒバ製品をつくりあげている職人も多い。また、ヒバにチャレンジしようとしている若い職人達も育っている。このような人たちによって、ヒバのモノづくり精神が受け継がれ、青森県の産業として発展していくことを期待したい。 ●スギ 青森県で最も資源量が豊富な木材がスギです。戦後、国は管理して育てる林業を普及しようと、スギやカラマツを全国に植林したのが、60年たって使える木材になったのです。森林は間伐主伐を適切に行うことで健全な森林を維持することができ、循環が可能になります。このような森林の木材で家を建てることで地域経済の活力に繋げなければなりません。 2012年8月に青い森森林振興公社が民事再生手続きの申し立てをしたことは、青森県だけでは無く、日本の森林行政にとってショッキングなニュースでした。 森林情報サイト
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